クロス(10G) HGW配下にIPoEルータを設置した場合の通信不具合について

特定の条件下において、正しく設定しているはずなのにIPv6で通信ができない症状が報告されています。
対処方法と原因を説明させていただきます。
IPv4, IPv6で正しく接続出来ているかは以下のサイトで確認いただけます。

IPv4/IPv6接続判定ページ http://test.conagi.jp/

目次

フレッツ光クロス 回線でよくある間違い

フレッツ光 クロス(10G)の場合は、NEXT(1G)とは異なり、ひかりIP電話の契約有無に関わらずNTT側からのIPv6の割り当て方式は
全てDHCPv6-PDです。
よって、ONU(ルータ機能の無い物)に、IPoEルータを接続される場合は、ひかりIP電話の契約有無に関わらず、ひかりIP電話契約あり(DHCPv6-PD)を選択します。

ホームゲートウェイ(XG-100NE等)配下にIPoEルータ(YAMAHA RTX/NVRシリーズ等)を使用する場合は、ホームゲートウェイからIPv6アドレスがRA方式で配布されるため、ひかりIP電話の契約有無に関わらず、ひかりIP電話の契約無し(RA方式)を選択します。

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不具合が確認されている回線種別

フレッツ光 クロス(10G)  v6プラス 動的IPv4(固定IPオプション無し)

機器構成

・フレッツ・ジョイント無し
・ホームゲートウェイ(XG-100NE等)配下にIPoEルータ(YAMAHA RTX/NVRシリーズ)を使用
 他のルータでも設定次第では、同様の症状になる可能性があります。

発生状況

Web(GUI)のみで設定を行った場合

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HGW + IPoEルータ 構成での不具合対処方法

ここでは、LAN2にHGWを接続している前提で説明します。 LAN3をご利用のお客様は読み替えてください。

誤って DHCPv6-PDに設定している場合

ホームゲートウェイ相手に DHCPv6-PD で設定すると /60 のプレフィックスが配られ、正常に MAP ルールを適用できないため、IPv4での通信ができません。IPv6のみ通信可能な状態となります。
このような場合は、RA方式に変更する必要があります。

  • IPv6 設定について
    • RA プロキシで設定します。
    • ホームゲートウェイ相手に DHCPv6-PD で設定すると /60 のプレフィックスが配られ、正常に MAP ルールを適用できません。
https://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/v6plus/#setting3

RA方式に設定しているのに不具合がある場合

IPv4の通信はできて、IPv6の通信ができない症状が確認されています。

DNS サーバー設定について
DNS サーバーを dhcp lan2 に設定すると、ホームゲートウェイが DNS サーバーになる事があります。その場合は、ホームゲートウェイのグローバルアドレスへの経路が LAN2 側に必要になります。自動的にその経路が設定されない事があるため、経路を静的に設定する必要があります。
DNS サーバーは、デフォルト経路で到達できるパブリック DNS サーバーの設定を推奨します。

https://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/v6plus/#setting3

YAMAHA RTX/NVRシリーズでGUIで設定を行うと、DNS設定は以下のようになります。

【 DNS の設定 】
dns host lan1
dns service fallback on
dns server dhcp lan2

この設定では、ISPから割り当てられるDNSサーバーへの到達性が無い場合があります。
static route を追加するか、DNSサーバーをパブリックDNSサーバーに変更します。

【 DNS の設定 】
 dns host lan1
 dns service fallback on
 dns server パブリックDNSサーバー ( IPv6 )

例えば GoogleのパブリックDNSを使用する例です。

Google Public DNS
2001:4860:4860::8888
2001:4860:4860::8844

【 DNS の設定 】
 dns host lan1
 dns service fallback on
 dns server 2001:4860:4860::8888 2001:4860:4860::8844

この設定変更を行うことで、IPv6通信ができるようになります。

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